――“恋”は甘いだけじゃない。



テレビか雑誌とかで誰かが言ってた言葉。

最初は、そーなの?くらいにしか思わなかったけど、最近…ちょっとわかったか
もしれない。



(だって、オレも“恋”しちゃってるもんね!!)





サワースウィート・ロリポップ
サワースウィート・ロリポップ
オレ、田島 悠一郎。 西浦高校硬式野球部のサードで4番!! ひいじいやじいちゃんたちが倒れたりしてもすぐわかるよーに入った西浦で、す っごくすっごく可愛いヤツに出会っちゃいました!! 「た、田島 くん。お。おはよう!!」 「おー!はよ、三橋!!」 それが、三橋。 野球部のエースでピッチャー。 オレより背は1cmだけ高いけど、すぐに泣いちゃう弟みたいな可愛いヤツ。 ぎゅーっ、て抱きつくと。お日様の匂いと一緒に甘〜いお菓子みたいな匂いもす る、オレのお気に入り。 ふわふわの、蜂蜜みたいな色の髪の毛も、マシュマロみたいなほっぺも、飴玉み たいなでっかい目も、みんなみーんなオレのモノ!! (だって、三橋はオレのだもんね!!) ゲンミツにゆーと、オレと三橋はコイビトだから! 甘い三橋を食べていーのはオレだけの特権。 「三橋ー!!投球練習すっぞ!!」 「あ、阿部くん。わ、わかったー!!」 ててて、と走って阿部のトコに行く三橋。 (時々、阿部ってウゼーよなぁ) オレの三橋を取ってっちゃうヤツ1位は、ダントツで阿部だ。 三橋のキャッチャーは阿部だし、二人はバッテリーだから当たり前なんだけど。 阿部はいっつもいっつも三橋を独り占めする。 オレもキャッチャーしてるから、大切なことだってわかってるけど。 (三橋は誰にでもニコニコすっからな〜) 可愛い可愛いオレの三橋は、みんなにも「可愛い」って思われてるから、時々ワ ザと邪魔してるんじゃねーの?って思う時がある。 (オレも、バッティングの練習しよ!!) うじうじしてたってしょーがねーし! 考えたりするのはオレの役目じゃないもんね!! 打って、走って、捕って。 いっぱい打ったら三橋は喜ぶし、盗塁したらスゴイ!ってキラキラした目で見て くる。 際どいボールを捕ったら、ありがとう、って笑ってくれて。 (そーゆー時がオレの一番の幸せ!!) 兄ちゃんたちの影響で、エロ本とか読むのも早かったし、可愛い女の子も大好き だったけど、 (三橋がいっちばん可愛いな!!) 最近の“一番”は、全部三橋。 阿部に泣かされたら、一番に慰めるのもオレ! 栄口、泉とかも三橋に甘いからいつも慰めに来るけど、いっちばんにぎゅーって すんのはオレだもんね!! 三橋のしゃべってんのを完璧に理解できてんのもオレだけ!! 阿部は、それができなくてイライラしてる時があるけど、なんでわかんないのか わかんない。 クラスでもずーっと一緒にいんのもオレ! これは、おんなじクラスだからなのもあるけど、席も近いからずっと一緒だ。 ゲンミツにゆーと、泉と浜田もずっと一緒だけど。 (あ〜!早く休憩になんねーかな) バッティングを交代して、脇で素振りしながら考えるのは三橋のこと。 (バッティングの時は集中しなきゃだからな!!) トン、と肩にバットを置いて休み、息を整える。 ネットの向こうでは、投球練習をしてる三橋と阿部。 投げてる時の三橋は、なんか空気も違って見えて。 すげーカッコイイ。 普段は、泣き虫で可愛いヤツなのに、投げてる時は真っすぐに阿部のミットを見 つめて、それが別人みたいに見えるくらいカッコイイんだ。 (あー…なんか考えすぎて腹へった!) ポケットに手をつっこんだら、非常食用に入れといた飴。 カラコロ。 口の中で転がした飴はイチゴ味なのに、なんだか甘くなかった。 昼に三橋と食べた棒つきのイチゴ味の飴は、あんなに甘かったのに。 おわり。 御粗末さまでした…!!
アオバさんより戴きましたタジミハ小説です。どうも有難う! [TOPへ戻る]